『この物件、前の住人はなぜ出て行ったんだろう?』不動産屋が明かす退去理由の真実

先日、お客様から「この素敵な物件、なぜ空いてるんですか?何か問題があるんじゃ...」と不安そうに質問されました。確かに、条件の良い物件が空いていると「何か裏があるのでは?」と心配になりますよね。

これまで扱った物件の退去理由を振り返ると、意外な事実が見えてきます。今日は、普段お客様にはなかなか話せない「退去理由の真実」をお話しします。実は、あなたが想像するような問題は少なく、むしろポジティブな理由が大半なのです。

【1位:転勤・就職・転職(35%)】

京都は学生の街でもあり、大学卒業とともに県外へ就職される方が非常に多いです。また、京都に本社を置く企業からの転勤も頻繁にあります。

【2位:結婚・同棲・家族構成の変化(25%)】

「一人暮らしからカップルに」「夫婦二人から赤ちゃんが生まれて」など、ライフステージの変化による引っ越しです。

【3位:より良い条件への住み替え(20%)】

収入アップに伴い「もっと広い部屋に」「駅に近い場所に」といったグレードアップ引っ越し。

【4位:実家に戻る・Uターン(10%)】

特に京都の学生さんに多いパターン。地元に帰る際の引っ越しです。

【5位:近隣環境の変化(5%)】

新しい建物ができた、近所にお店ができた等の環境変化への対応。

【その他(5%)】

ここに初めて「問題のある退去」が含まれます。

**パターン1:タイミングの偶然**

優良物件でも、住人のライフステージが変われば退去します。特に3月〜4月の繁忙期を避けて引っ越しする方の物件は、実は狙い目なんです。

**パターン2:大家さんのリフォームタイミング**

「せっかく空いたから」とリフォームや設備更新をされる大家さんも多く、その期間に物件が空室になります。つまり、以前より条件が良くなって市場に出てくるのです。

**パターン3:家賃改定のタイミング**

周辺相場に合わせて家賃を見直し、新しい条件で入居者を募集するケース。適正価格になって出てくる優良物件です。

印象的だったのは、祇園近くの京町家風マンション。条件が良すぎて「何か問題があるのでは?」と心配されたお客様がいました。

前の住人に確認してみると、「結婚が決まって、彼の実家近くに引っ越すことになった。本当は住み続けたかった」とのこと。むしろ「次の方にも気に入ってもらえるように」と、退去時に丁寧に掃除をして出て行かれたそうです。

その物件は今、新しい住人の方にとても愛されています。前の住人の「想い」も一緒に引き継がれているような、温かい空気が流れている素敵な住まいです。

正直にお話しすると、私たち不動産屋は「問題のある物件」は極力避けます。なぜなら、後々トラブルになるリスクが高く、お客様に迷惑をかけることになるからです。

信頼を大切にする地域密着の不動産屋ほど、長期的な関係を重視します。一時的な利益のために問題物件を紹介することは、結果的に自分たちの首を絞めることになります。

だからこそ、条件の良い物件は本当に「良いタイミングで空いた優良物件」である可能性が高いのです。

「なぜ空いているの?」という疑問は当然です。でも、ほとんどの場合、前の住人にとっても素敵な思い出の場所だったはず。

住まいには、そこで過ごした人々の物語があります。私たちは、その物語を大切にしながら、新しい住人との素敵な出会いをお手伝いしたいと思っています。

気になる物件があれば、遠慮なく「前の方はなぜ出られたんですか?」と聞いてください。きっと、安心できる答えが返ってくるはずです。そして、あなたも新しい物語を始めてみませんか?

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